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潜入! Muire Tomb!
 去る2001年9月25日、その日も恒例のパッチがあたり、DAoCはバージョン1.15になった。
 僕がプレイしたし始めた頃は確かver1.10かなんかだったので、もう10日で5回はパッチが当たっている計算になる。着々と開発は進んでいるようだ。

 さて、この日のパッチメッセージの中に、こんな一文があった。

Two new Dungeons:
(中略)
- Muire Tomb -- Hibernian Dungeon:
For levels 8 - 15 (in groups) in Connacht

 新ダンジョンとな?
 しかも適正レベルは8-15。現在レベル11の僕にはちょうどいい。

 ダンジョンと言えば、EQにおいてはGuk・Befallenといった数々の作り込まれたダンジョンに胸を躍らせ、そのことでより一層EQへの没頭を深めることになり、AOにおいてはその単調な・・・(以下略)。
 すなわち、ダンジョンの善し悪しがそのゲームの衰勢を決めると言っても過言ではないのである。かな?

 となれば、これはチェックするほかあるまい。
 僕は単身、Connacht地方へ向かい、探索を開始した。

 Connachtを走り回ること10分前後。Tir Nan Ogに割と近い丘の上に、ひっそりとその入り口がたたずんでいるのを発見した。入り口が地味で、見逃しやすい。
 ともあれ、来た以上は中へ入ろう。中は入り口ほど地味じゃないと良いのだけど・・・。

 ダッダッダッダッダ。

 中にはいると、そこは名前の通り、地下墓所といった風のつくりだった。蜘蛛の巣が所々に張り付いていて、随所に頭蓋骨が積まれている。

 入り口付近に、そこを拠点にして戦っているパーティーがいた。
 チャンス!見たところ人数は5人だ。もう少し戦力がほしいはず!

 Flien 「空き、ない?」
 パーティーの人 「あるある」

 よし、パーティーゲット。

 パーティー一行は、どうやら入り口付近でしばらくキャンプをするようだ。
 このダンジョン内には、今のところ僕らしかいない。入り口でなにをしようが、誰に迷惑をかけるでもない。なんとなくEQを苛烈にやっていた頃の感覚を思い出しながら、しばし、この場でPullerが引っ張ってくる敵を殺す。

 入り口付近にいる敵は、蜘蛛ゾンビがメインだ。
 蜘蛛のレベルは、11〜12。
 ゾンビのレベルも、11〜12。
 レベル9〜11くらいの小パーティーにはちょうどいい歯ごたえといえる。

 その後、しばらく狩りを続けていると、どんどんパーティーへの参入者が来て、パーティーはついに8人のフルパーティーになった。
 こうなると、僕から見て+-0かせいぜい+1レベル程度の敵では、この大人数で挑むにはやや歯ごたえがない。
 みんなもそう思ったらしく、パーティー内で『先に進んでみようぜ』とかいう展開になるのも自然な話だ。

 ここは出来たばかりのダンジョンだ。そう何人も奥を見た人はいないだろう。
 未踏の地を進む興奮に快感を覚えながら、僕らは進む。

 ダンジョンの構成は、基本的には十字路の組み合わせで出来ているようだ。建物型のダンジョンなので、直角な曲がり角ばかりで、現在位置を把握しやすい。
 初めは南へ進み、十字路を東へ行き(左折)、さらに次の十字路を北へと進んでいく(左折)。

 右は内部構造の一部の簡略図。

 途中、おなじみの蜘蛛やらゾンビ、さらに奥にいた幽霊を、片っ端から粉砕しながら進んでいく。
 このダンジョン・・・というか、このゲームの敵は、結構Respawn(敵の復活)間隔が早くて、前にいる敵を倒したと思うと、後ろの通り過ぎた道にはもう敵がわいていたりする。その分自分たちの回復速度も速いんだけど、なかなかスリルのある行軍だ。撤退は許されない。

 そして、僕ら一行は図にKacey Muireと書いてある部屋の前の部屋まで来た。

 一つ前の部屋からその部屋の中を覗いてみると、図に書いてある名前の通り、奥にはKacey Muireという固有名詞付きの幽霊が、護衛の幽霊騎士とともに鎮座していた。
 左がその、覗き込んだときの図。少し写真が不鮮明なのは勘弁してください。これ以上近寄るのが怖かったもので。

 幽霊は計5匹いて、真ん中のがKacey Muireその人だ。

 Kaceyは僕より+3レベル以上。護衛の幽霊騎士も僕より+2のレベル13だ。5匹全部がリンクして来たら、僕らは全滅必至だろう。ここは慎重にいかねば。

 とはいっても、前述したように、DAoCの敵はRespawnが早い。そのうち、今僕らがいる部屋にも敵はわくのだ。あまり逡巡していれば、好機を逸することにもなる。早くかつ慎重に戦闘を開始しなければ・・・。
 なーんて僕は思っていたのに、パーティーに一人は豪快なヤツがいるもので、気がついたらPullをはじめていた。

 ええい、ままよ。

 仕方ないのでなし崩しに戦闘開始だ。
 運良く5匹のうちの2匹だけがPullerに引っ張られて来た。2匹なら十分に何とかなる。160本持っていた矢も、とうの昔に尽きていたので、僕は必死に剣を振り振り敵を殴る。
 結構きわどかったけど、うまくパーティープレイが機能して、犠牲者もなくここは乗り切った。

 さて、次だ。
 いよいよ真打ちのKacey Muireの登場である。

 Pullerが魔法を唱える。
 来た!
 ・・・。
 ・・・げ。3匹だ!

 激しい戦いが始まった。

 ・・・と思ったら・・・
 ・・・あれ、僕がいる。
 僕が床に寝ている・・・。

 なんというか、その、あっという間に僕は死んだらしい。
 一瞬で流れ去ったメッセージを巻き戻して見てみると、Kaceyから一撃で70ダメージ以上を食らっている。僕のHPは180前後だったと思うから、3発食らえばおだぶつだ。そらー回復魔法も間に合うまい。

 くそー。

 非常に無力感がこみあげるが、そんなことを思っている場合ではない。カメラをぐるっと回すと、まだ味方は必死に戦っているのだ。が、形勢はかなり悪そうだ。
 見る見るうちに、一人二人と味方が死んでいく。ついには唯一の回復係であったバードまでが命を落とした。

 うーん、これは全滅かな。

 ところが、そう思っていると、颯爽と一人の戦士が現れた!
 Lv18〜20と思われるその戦士は、風を巻いてKacey一派に襲いかかる!

 バキン!ズガン!

 おお、カッコエー・・・。

 彼の登場で形勢が変わった。Kaceyがまず昇天。ついでその護衛の幽霊騎士も相次いで消滅したのだ。犠牲は大きかったが、我々の勝利である。

 その後、彼の仲間のドルイドによってよみがえった僕らは、彼らに厚く礼を述べた後、さらにしばらくこのダンジョン内で狩りを続けた。そして、数十分後、十分に新ダンジョンを堪能した僕らは解散して、それぞれの帰路に就いたのだった。

 なお・・・。

 Kaceyはなにも良い戦利品を落としませんでした。

 つづく。







−登場人物−

  • Flien Chulainn (Lurikeen / Ranger Lv11):
     僕。本編の主人公。著者自身


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