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第三話 カジレンジャー
 なんていうか、一ヶ月もせずにキャラが消えると思うと、なかなかキャラ育成に身が入らない。新キャラを作っては、レベル上げが少しきつくなると、次のキャラに逃げてしまう

 そんな僕が今使っているのは、ルリコーンのレンジャー、Flien君だ。
 始めて使う弓は、これまた新鮮でなかなかおもしろい。思ったより強いし。

 さて、そんなFlien君も、レベル6になってレベル上げがつらくなってきた。そろそろ他のキャラを試すかなー、とか、まるきし根性無しな思考をし始めている僕なんだけど、ちょっと試してみたいことがあったので、今日はそれをやってみることにした。

 試したいこととはズバリ、生産スキル、である。

 結構いろいろ作れる、とか、NPCに売ってもそれなりの値段で売れる、とか、断片的な情報は入ってるんだけど、具体的なやり方とか、制作可能なモノとかがわからない。ここは捨てキャラ上等なβのうちにやってみるしかあるまい。

 と言うことで、生産のメッカ、首都Tir Nan Ogへゆく。

 僕が事前に入手した情報によれば、生産スキルを始めるには、まず[Master]という肩書きを持つNPCを探して話しかける必要があるとのこと。
 Tir Nan Ogの街を[Master]を探してうろつくと、王宮(?)のような、豪奢な建物の前に、生産スキル用の原料を売っているNPCの店員たちとともに、何人かの[Master]がいた。

 その一人に話しかけてみると、メッセージ欄に、「武器制作スキルを得た」「防具制作スキルを得た」「金属加工スキルを得た」「木工スキルを得た」・・・等々、と、一気に表示され、生産スキルを獲得できた。

 自分のスキルを調べてみると、スキル欄に10種類のスキルが増えている。ラインナップはこんな感じ。
  • Weaponcraft(武器作成)
  • Armorcraft(鎧作成)
  • Siegecraft(攻城兵器作成)(!?)
  • Jewelcraft(宝飾品作成)
  • Metalworking(金属加工)
  • Leatherworking(革製品作成)
  • Clothworking(布製品作成)
  • Tailoring(裁縫)
  • Fletching(弓作成)
  • Woodworking(木工)
  •  ずいぶんいっぱいあるけど、これは・・・攻城兵器作成に心を奪われるな。
     でもどうせまだ、原料が高くて買えないだろうからあきらめよう。

     各スキルはボタン付きの『使用型』スキルになっている。試しにWeaponcraftをショートカットボタンに配置して押してみると、ウィンドウが開いて、Weaponcraftで作ることのできる武器のタイプのリストが表示された。『short sword』とか『dagger』とかだ。

     さらにそのリストに並んでいる『short sword』とか『dagger』とかの文字をクリックすると、その下にさらに素材名が表示されるものと、表示されないものがある。
     たとえば、片手剣で一番高度な系統と思われる『basterd sword』をクリックしてもなにも表示されないが、突き刺し武器で簡単な系統とおもわれる『dirk』『dagger』をクリックすると、以下のように表示される。

     copper 15
     copper 35

     どうやら、武器の名前の右の数字は、その武器を作るに必要十分なスキル値を示すようだ。おそらく表示されない武器は、まだスキルが低くて作成不可能なのだろう。なにしろまだ僕のスキル値は現在オール1だ。

     ・・・とりあえずこの、『copper』『dirk』を作ってみるかな。
     『copper』は材料=ランクで、『dirk』は武器の種類だろう。将来的には、もっといい材料=ランクの『dirk』が作れるようになるんだと思う。

     さて、この状態でさらに『copper』を調べると、またウィンドウが開いて、『copper dirk』を作るのに必要な材料が表示される。

     ・copper dirk
       1 copper dirk blade
       1 rawhide dirk hilt

     ・・・。
     かっぱーだーくぶれーどーぉ?

     こいつも生産で作られるモノ・・・っぽい名前だなぁ。
     そう目星をつけて今度はMetalworkingのスキルを、Weaponcraftの時と同様に、ショートカットボタンに配置して、押してみる。
     新しいウィンドウが開いて、ズラッと金属加工製品のリストが並ぶ。
     その中にはニラんだ通り『dirk blade』という項目がある。その文字をクリックしてみると、さっきWeaponcraftのウィンドウで『dirk』を調べたときのように、また以下のように表示された。

     copper 15

     さらにこれをクリックすると、こういうウィンドウが出る。

     ・copper dirk blade
       8 copper metal bars

     メタルバーか。やっと店で売ってる原材料にたどり着いたぞ。

     あともう一つのcopper dirkの原料は・・・rawhide dirk hiltか。rawhideと言うことは、革細工『Leathercraft』かな。

     ・・・うん、そうみたいだ。
     今までとおなじように順々にクリックしていって、rawhide dirk hiltの原材料を調べると、

     ・rawhide dirk hilt
       1 copper metal bars
       1 rowan wood boards
       1 rawhide leather

     と表示された。今度は種類が多いな。革に木に銅か。1つなのに表示が複数形なのはご愛敬

     うーん、ちょっとダラダラ文章で書いてもわかりにくいな。
     行程は長くないけど、ここで整理してみよう。
    (手順1)
     『copper metal bar』を8つ使って、
     『copper dirk blade』をつくる(Metalworkingのスキル)。

    (手順2)
     『copper metal bar』を1つ、
     『rowan wood board』を1つ、
     『rawhide leather』を1つ使って、
     『rawhide dirk hilt』をつくる(Leatherworkingのスキル)。

    (手順3)
     『copper dirk blade』を1つ、
     『rawhide dirk hilt』を1つ使って、
     『copper dirk』の完成(Weaponcraftのスキル)。
     ・・・ってことか。
     よし、やってみよう。

     手順1〜3の各工程は、これまたショートカットボタンにセットできる。材料を持っている状態でショートカットにセットしたボタンを押すと、作成開始らしい。

     右の画像は、各スキルと各工程をショートカットボタンに設定した図。
     1、2、3はスキルのボタン。そのボタンの中から、さらに細かい行程の項目を選んでセットしたのが4、5、6だ。実際の作成では4、5、6を主に使う。

     さて、まずは、材料を買うんだよな。
     つごうのいいことに、現在位置である[Master]のいるあたりには、トレードスキルの材料を売るNPCも集結している。簡単に原料をそろえることができた。
     ちなみに各原料は20個単位で売られていて、値段は、
    20 copper metal bars: 175cp
    20 rowan wood boards: 75cp
    20 rawhide leather: 75cp
    となっている。失敗がないとして一つを作るのに必要な材料は、9 copper metal bars、1 rowan wood boards、1 rawhide leatherだから、一つ分の制作費用は・・・

     ・・・(計算中)・・・

     78.75+3.75+3.75だから・・・(計算中)・・・

     約86cpか。

     86cp以上の値段でNPCが買ってくれなかったら、働けば働くほど貧乏になる因果な職業となってしまうわけだな。頼むぜ、copper dirk! 頼むぜ、NPCベンダーズ!

     さて、材料はそろった、いざ、制作の時!
     まずは(手順1)にしたがって、copper dirk bladeを作るべく、ショートカットボタン4を押す。

     ポチっとな。

     「アンタは鍛冶の道具を持ってないよ!」
     「アンタは鍛冶場の近くにいないといけないよ!」

    たてつづけに、二件、お叱りのメッセージがサーバーから届いた。うわーん。

     鍛冶の道具に、鍛冶場ときたか。
     鍛冶の道具は、それらしいのがcopper metal barを買ったところで売ってたな。
     ・・・あったあった、smith's hammer。きっとこれだろう。

     あとは鍛冶場か・・・。
     ん?あれかな?

     振り返ってみるとすぐそこに、フイゴに金床、それに炉という、UOでおなじみの鍛冶場一式がそろった一角があった。

     材料と鍛冶ハンマーをそろえた上で、この鍛冶場の近くへいって、もう一回さっきのようにショートカットボタン4『copper dirk bladeの作成』を押してみる。

     「copper dirk bladeの作成に失敗したが、材料は失われなかった」

     おお!できたっぽい!
     しかし作成自体は残念ながら失敗したようだ。よし、まだ材料はあるし、どんどんボタンを押して作成してみよう。

     「copper dirk bladeの作成に成功した」

     おおできた!
     インベントリーの中にはしっかりと、copper dirk bladeが入っている。
     さらに続いて、同じ要領で、rawhide dirk hiltを作り、さらに両方を完成させた状態で、ショートカットボタン6『copper dirkの作成』を押すと、ついに記念すべき第一個目の自作物であるところの、copper dirkが完成した。
     ナイス、僕。

     一回できてしまえばあとはもう簡単だ。ルーチンワークのように材料が無くなるまで作り続け、材料が無くなったら、また買いなおして、また作る。工場モードに突入である。

     あ、そうそう、材料を買いなおしに行くときに、完成したdirkを売ってみたんだけど、残念ながら売値は62cp24cpの赤字だ。赤字なのはスキルの勉強料と思えば、まあ痛くはない。ここは一つ、今まで貯めた、なけなしの20spがなくなるまで作り続けてみよう。

     休まず作っていると、最初のうちは失敗して、材料が無駄に失われることもあるんだけど、心配はいらない。どんどんスキルが上がっていって、すぐに、目安のスキル値が15のcopper dirkでは、ほとんど失敗することがなくなるまでになる。さらに作り続けて、自分のスキルが15を越えても、まだまだcopper dirkでスキルがばしばし上がる。

     小一時間、作業に没頭する。
     で、20spあったお金が残り1spになった頃、思い出したようにスキル値をチェックしてみると、Weaponcraft、Metalworking、Leatherworkingの三種類が、43にまで上がっていた。
     ちなみに、作っていたのはずっとcopper dirk。一体いつまでcopper dirkでスキルは上がるのか。疑問である。

     まぁ、スキルがこれだけ上がれば、とりあえずはOKかな。どのみちもう材料を買うお金もない。今日の鍛冶修行はこの辺にして、また戦闘の方の修行に戻ろう。


    ----------

     鍛冶終わって。

     ・・・ふむふむ。
     まだたいしたもんは作れないけど、これはなかなかおもしろいぞ。
     いつかスキルを上げて、なおかつお金を稼いで高い材料を得ることができたら、自分用のレイピアでも鍛えてみたいものだ。
     それとそれと、攻城兵器ってモンスターにも効くのかな。バリスタとか。
     興味は尽きない。

     つづく。







    −登場人物−

    Flien (Lurikeen / Ranger Lv6)


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